医療経営学部トップページ >> TOPICS >> 【教員インタビュー】日本の病院はどんな戦略をとるべきか。アメリカの病院経営という視点から、分析する。講師 早川 佐知子

広島国際大学 公式サイトへ

【教員インタビュー】日本の病院はどんな戦略をとるべきか。
アメリカの病院経営という視点から、分析する。

医療経営学部医療経営学科
講師 早川 佐知子

皆さんは「病院の定義」って、何だと思いますか。病気になったら行く場所、あるいは病気を治してくれる場所、これが一般的でしょうか。例えば、病院が病気やケガを治すために患者さんの時間を預かる場所と考えたら、顧客の時間を預かるホテルに少し似ています。
でも、病院は時間に加えて患者さんの命も預かっています。じゃあ、命ってなんだと思いますか。肉体、臓器のかたまりとして見えるでしょうか。それとも、命は、その人の人生そのものとしても捉えられるでしょうか。WHO(世界保健機構)で定義されている4つの痛みには、体の痛みだけでなく、社会的な痛み、精神的な痛みの他、もっと深い魂の痛みがあります。このすべてを治すのが病院だとしたら……。病院て何だろうと考えることは、命って何だろうと考えること、それは社会って、幸せって何だろうと考えることにつながり、世界の中のひとつの機能でしかない病院でも、その存在の深さがわかってきます。

これをふまえて、医療経営を学ぶとどうでしょう。病院というものをどう捉えるかによって、病院経営の理想や、向かっていく方向など、まったく経営戦略が変わることがわかります。さらに、病院という組織の目的やどのような場だと捉えるかによっては、人事管理の内容や組織の作りかたも変化します。目的達成のためには、より専門性に特化した人材の必要性が見えてきませんか。

私は、看護師の働き方について疑問を持ち、そのことをきっかけに「アメリカの病院における人事労務管理」を研究テーマにしました。ポイントは、看護師のアイデンティティを、雇用先ではなく、専門性へシフトさせること。つまり、○○病院に勤めているAさんではなく、看護師であるAさんという考え方に転換することです。アメリカにはNP(ナースプラクティショナー)など、さまざまな上級看護師資格が存在して、医師と対等な立場で扱われる看護師が多数活躍しています。日本では、事務職と看護師だけはローテーションがよく行われる部署ですが、上級看護師は外科、内科、手術などの専門性と高度な技術を持っており、どこの病院へ行っても専門職として地位を与えられます。開業もできることがありますし、キャリアが高く評価されているのです。日本では原則として禁止されている派遣看護師も存在します。そんなふうに、ひとつの専門性を追及する看護師の生き方はとても魅力的に思え、日本でも実現できれば理想だと私は考えています。

医療というキーワードから見る社会や国、人間の存在は、アメリカを鑑とすると全く違ったものに見えてきます。日本でも病院経営に対する意識が少しずつ変わっており、病院を健全な運営に向かって補助する人材が必要とされています。また、一見医療と関連しないように見える企業や金融機関であっても、実はメディカル部門が存在しているなど、経営プラス医療の知識が役立つ分野はますます増えています。そのなかで、新鮮な視点から医療を考えられる人材の育成に貢献できればと思っています。

広島国際大学 医療経営学部

広島キャンパス 
〒730-0016 広島県広島市中区幟町1-5 アクセスマップ

お問い合わせ 医療経営学部事務室 
TEL 082-211-5101 FAX 082-211-5166